最近はいろいろなストレスからうつ病を発症してしまう人が増えてきています。うつ病は、心の安定を保つことができず、エネルギーだけが消費され疲れてしまい症状に悩まされます。心が健康であれば、悩んで落ち込んでしまっても、塞ぎこむことなく早期に立ち直ることができます。しかし、心の状態が不健康だと脳の働きが弱まり、心のバランスをとることができず少しの事でも塞ぎこんでしまうのです。
また、このような状態が長期化すると、人間の三大欲求である食欲や睡眠欲、性欲がなくなり、倦怠感や目に見える病気の症状が現れることがあります。うつ病がどのような病気なのか知らない人は、これらを甘えだと勘違いし、無理に頑張らせようとさせる人もいます。しかし、この病気は考え方を変えるだけで症状が緩和されるわけではないので、周囲の人の協力も大切です。もし、自身や家族がうつ病と診断されたら、一緒に症状改善に協力していくことが重要なのです。
うつ病と診断された場合に注意したいのが、病状を放置しておくこと、治療を焦らないことです。基本的にうつ病になりやすい人の特徴は、神経質で責任感が強い人に多くみられる傾向があるようです。特に仕事で「この仕事は自分が責任もって終わらせなければいけない」「周囲に迷惑をかけてはいけない」などという気持ちで仕事に追われている人は、症状に気付くことすらできず放置してしまうことがよくあります。その結果、心が崩壊してしまい、うつ症状が悪化してしまいます。早期発見で早期治療であれば、症状も軽いため早い段階で改善が見込めますが、状態が悪化してから治療を行なうと長引くことになります。
また、早期に治療を行なっても早く改善したいと気持ちばかりが焦り、回復が遅れてしまう人もいます。うつは、薬を飲むと一時的によくなることがあります。その時、症状が回復したと誤解してしまい、自己判断で薬の服用や通院を止める人がいます。そんなことをしていると、症状が悪くなり治療が長引いてしまいます。うつの治療は、基本的に早くても3か月程度はかかるようです。たとえ数か月で症状が回復しても、再発してしまう可能性も高いので、焦らずゆっくりと治療していくことが重要なのです。
うつ病と診断されたら、これ以上悪化させないためにも予防していくことも大切です。うつはストレス要因が大きく占めるので、ストレスをつくる環境から離れることです。症状が軽い人はストレス要因も少ないですが、症状が重い人は多くのストレスを抱えていることがあります。そのような場合、自身で何が要因なのか把握することができない時があります。そのような時は心療内科や精神科など専門家へ相談して、原因を洗いだしてもらうとよいでしょう。